途上にて

過去と未来の交差点

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

この人生で

僕には子どもが二人いる。4歳の男の子と、1歳の女の子だ。彼らの前途は無限に広がっている。僕の頭を遠く超えて、僕の知らない、向こう側の世界で活躍して欲しいと思っている。 僕はまだ生きるつもりだ。死ぬ予定はない。しかし、人間は時々、本人も予想だ…

愛する能力

愛する能力のある人はまれである。 これは僕が大人になってから気がついた一つの大きな発見であった。愛する能力とは何か。それは、その人の気持ちが想像できる、その人の立場で見られる、ということだと思う。そしてこれは大人になったからといって誰しもが…

いい人

息苦しい原因は「いい人」になろうとするからだ。 自分がいい人になりたいならそれは素晴らしいことだろう。だが、だれかにいい人と思われようとするならそれは訳が違う。いい人になりたい、そういう積極的な気持ちなら何も悩むこともないだろう。しかし、悪…

金曜

4歳の子どもを幼稚園に迎えに行こう。今日は金曜日、今週の幼稚園も終わりだ。ポケットにわずかばかりの小銭を入れて、歩いて迎えに行く。道草をしながら、いろんな話をして、ゆっくり時間をかけて家に帰ろう。用水路に葉っぱを浮かべて追いかけたり、看板…

年月

時が経つのは早い。 本当に早い。僕もついこの前まで少年であった。そういう実感である。大げさにいうと、ついこの間まで高校生だった気分だ。そのくらいに時の流れはその流れをより早くすれど止まることはない。三十半ばになった。逆から考えてみると、自分…

正しさとあたたかさ

正しさは万能の真理ではない。 そもそも人は間違うし、絶対的な正義を見つけられるほど人間の理性は万能ではない。正しいことなんて時代によって変わるのだ。これは真実だ。天災が起こらないように生娘を生け贄に出すのも、有色人種を差別するのも、女性には…

希望

人生に必要なのは間違いなく希望だ。 今、僕は間違いなくこう思っている。僕は、夢だ希望だ言うのは現実否認の甘い人間のすることだというような考え方の中で育ってきた。でも、繰り返しになるが、もう一度言いたい。人生に必要なのは間違いなく希望である。…

他人

自分以外の人間は他人なのだ。 他人なんて関係ないとか、どうせ結局は人は当てにならないとか、そういうことを言いたいがために「他人」と言ったわけではない。適切に言いたいことを表現するのは難しいが、「自分ではない」という表現が一番適切であろうか。…

憂鬱を迎え撃て

自分のことをどう思っていようとそれは幻想だ。 自分はすごいと自惚れていようと、自分はダメだと卑屈になっていようと、それはどちらにせよ幻想なのだ。幻想だから、それはさして意味がないわけではない。むしろ逆だ。この幻想が自分の世界そのものなのだ。…