途上にて

過去と未来の交差点

葛藤

人は常に引き裂かれる。理想と現実、わたしと他者、個人と社会、成長と退行、自立と依存、自由と保護、真実と嘘、真逆の概念の間で、人は常に葛藤にさらされる。どちらかというわけではない。われわれは、矛盾する概念の間を、常に行ったり来たりしているものだ。

 

 

人間は、固定された、一個の人格を持っているわけではない。

 

 

人は常に変わっていくものだ、成長していくものだ、退行していくものなのである。どんなに、僕がこういう人間だと、自分を定義していたとしても、それはその一瞬の僕を定義できたとしても、それすらあやしいのだが、その僕は不変の僕ではない。

 

 

人が理想的である、ということはあり得ない。

 

 

人は常に変わっていくものだ、という前提があるとすると、人は理想的であるということはあり得ない。理想は変えるべきことがないからだ。

 

 

人は正反対の概念の間を行ったり来たりしながら、常に変化しながら、理想に向かうべきものだ。僕はそう捉えている。

 

 

人間である自分に、無謬を求めてはいけない。僕は常に間違う。その可能性を常に抱えて、僕という人間は生きている。

 

 

僕は間違う、間違うものなのだ。無謬の自分を求めてはいけない。僕は常にそのことを自分に言い聞かせて生きていきたい。